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りらいぶジャーナル

人生を見直す心の交流体験

グーグーライフ
―第6回体験ツアー報告―

 プチ滞在の前に必ず体験しておきたいのが1週間ほどの体験ツアー。体験ツアーとは住宅施設、病院、市場などを訪問し、説明を受けることのできるツアーだが、当社のツアーはそれだけではない。タイ・チェンマイに特化している当サークルでは地元の人が通う食堂や屋台を体験したり、ボランティア施設を訪問したり、語学学校や料理教室、マッサージスクールなどの授業なども体験できる。

 6回目となる今回のツアーでは、今まで日本人がほとんど踏み込んだことのない山岳民族の村への訪問も実現した。村人たちとの心の交流も体験できたのだ。
 参加者は夫婦2組に男性1名、そしてコーディネイターである私の6名。チェンマイ到着後、カントーク(北タイ料理)ディナーで「今年も新しい仲間とどんな体験ができるかわくわくしている」「近いうちにプチ滞在するぞと周囲に宣言し、自分にプレッシャーをかけてきた。真剣に見学、体験したい」など一同抱負を語った。

現地に足を運んでこそ
得られる貴重な情報


 現地スタッフによるオリエンテーションでは、タイ・チェンマイのプチ滞在事情、アクシデント発生時の対処法やその対応、さらには海外で「プチ滞在する」ための心得、タイ人の気質、トラブル事例などを解説した。


 日本人スタッフがいる私立病院見学では、日本人スタッフや看護師長、マーケティングマネージャーなど私たちに付きっ切りで、病室の広さ、看護、医療費などの支払い方法、救急の場合の対応のほかに、滞在中に起こり得るあらゆる場面での医療的な対応の方法を詳しく説明してくれた。やはり、現地に足を運ばなければわからないことがあったと思う。

 タイ語学校ではタイ語授業を体験してもらった。プライベートレッスンも可能なので、自分のレベルに合わせてタイ語を学べる。タイ語そのものが目的ではなく、プチ滞在の過ごし方のひとつであり、右脳が活性化するという意味でも大変よい機会だろう。

 さらに体験授業終了後、教育担当者と懇談のときを持った。日本語教師のアシスタントプログラムを開始するそうで、日本語を教えるということについて、「日本語を客観視でき、また日本語の素晴らしさ、難しさを考える機会となる」という。

 チェンマイには「ちゃ~お」という日本語フリーペーパーがある。今回、発行人によるミニセミナーを開いた。チェンマイという都市が日本人にとってどういう場所なのか、チェンマイに滞在するとはどういうことか、さらに日本人として海外(タイ)で活動するにはどういうことを考え、どういう行動をすべきなのかなど、海外滞在と私たち日本人の関係を考えさせられる話題だった。

ボランティアを考える

 エイズや麻薬中毒・貧困などで親を失った山岳民族の子どもの養護施設「希望の家」でタイが抱える問題を知る機会を持った。
 海外プチ滞在でボランティアを希望する人は多い。ボランティアはとてもよい時間の過ごし方だし、1人でも多くの子どもが笑顔になるのは本当にうれしいことだ。けれども、ボランティアで一番難しいのが継続して活動すること。山岳民族は現地タイ人からも差別されているという現状のなか、1人でも多くの子どもたちを救う方法として、我々が無理なくできる方法を考えていくというのも課題のひとつかもしれない。

 そのほか、チェンマイ北部のサンカンペーンで温泉体験し、休日のピクニック気分を味わってもらい、北タイ雑貨の見学して有名なチークの木彫り、家具などを見て回った。

山岳民族との交流


 今回は参加者の要望から、山岳民族ラフ族との出会いが適った。
 チェンマイから北へ約80キロ、茶の産地チェンダオへ。村へはドロドロ、ボコボコ、ガタガタの赤土道を登ること数時間、村に到着。子どもや女性たちが我々を遠巻きに見ている。

 長によると、この村は人口100人ほど。村人たちは初め珍客である我々を敬遠していたが、長の呼びかけで子どもたちが20名くらい集まった。参加者の一人が持参した紙風船を膨らませて遊び方を教えてあげると目を広げて興味を示す。


 その後、長の家族たちがラフ族の衣装で歌や踊りを披露してくれた。そして、私たち女性にも民族衣装を着せてくれた。そのお礼に私たちは囲炉裏端で安倍川餅(きなこ餅)を作った。大人も子どもも喜んで食べてくれた。そして長がご馳走と村で作ったお酒やお茶を振舞ってくれた。

 今回、タイを初体験したある夫妻は定期的にヨーロッパに旅行されていた。当社会員に勧めらたものの、ご主人はアジアには興味なく、今回もあまり気乗りしなかったたらしい。けれども、「普通」でない、時間に拘束されない、また「うるるん的体験」から、物が豊富でなかった幼少のころを思い出したり、ボランティアのあり方について知ったりして、「親のいない境遇の子どもたちを自分の姿に重ねた。旅行で涙を流したのは初めてだ」との感想を寄せてくれた。またご夫人も「このツアーで人生観が変わった」と話す。また2回目の参加となるある男性は「本当の体験が盛りだくさんで、復習や予習の意味でとても有意義だった」。バンコクで日本人学校の教師として赴任したことのあるご夫妻は「子どもたちとのふれあいに非常に感銘を受けた。道中があまりにも過酷だったのでそれを一緒に乗り越え、みなさんとまさに戦友になれたという気持ち」と語る。

海外を体験することの意味

 海外滞在体験は「日本を思うこと」「アジアの現状を知ること」「これからの生活を考えること」「仲間ができること」など人生を見直す機会になるものだと改めて感じた。職業も生い立ちも考えもまったく違う参加者のみなさんが仲間になっていくことの体験は私も含め、生きていることの幸せを実感できる機会となるのではないか思う。【小林亜留美】

※このコーナーはタイ・チェンマイでの“プチ滞在”のためのトータルコーディネートを行うグーグーライフ・サークルが情報提供しています※

■グーグーライフ・サークル
海外プチ滞在を通じて、国内での新しい仲間作りの場を提供し、定年後の心豊かな、楽しい健康な時間を過ごしてもらうことを目的に、高齢社会に貢献していくことを理念としています。特にタイ・チェンマイに特化、滞在期間の長短に関わらず、滞在のためのトータルコーディネイトを行っています。(小林亜留美)
TEL 052-701-5180
E-mail info(アットマーク)googoolife.com