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りらいぶジャーナル

“スリーAゲーム”で脳を活性

認知症にならないために

 認知症予防の“スリーA”(モットー「あかるく」「あたまを使って」「あきらめない」の頭文字Aから命名)ゲームによって、認知症を発病した方たちが教室で楽しくなって、生き生きしてきて、意欲も記憶力も湧いてくるとの前宣伝を半信半疑の思いで受講しました。

 でも、1時間半にわたる高林実結樹講師の理論と福井恵子講師の実技には全員が納得。割れんばかりの拍手で終了しました。今ではこのスリーAゲームが全国的に普及することを祈っています。

 その認知症予防のスリーAゲームの基本は、①優しく接する(間違いを指摘しない)、②寂しくさせない(常に声をかけて、肩や膝を優しく軽く叩く。安心していただく)、③一緒に行動する(数を数えたり道具を配ったり、手伝っていただけるチャンスを作る)、④話し方・声のトーン、身振りなどでルールを理解しやすく説明する――。
 「私も捨てたものじゃないわ」と思う気づきが脳の活動を活発にさせて、認知症の世界から引き戻しができるそうです。

 20種類のゲームは、動作のうえでは指・手・腕・上半身・全身と展開していきます。コミュニケーションのうえでは、最初は自分だけ、次に両隣の人・他の人の様子を見る・知る、みんなと一緒にする、いろいろな人とふれあう・言葉を交わす、共通の話題で話す、という展開です。

 テキストによると、「メモ書きして留守中の報告をするようになった」「バスと電車を乗り継いで一人で通院できるようになった」「料理の味加減が戻った」「スーパーに一人で出かけて食材の買い物ができるようになった」など、実際に体験された家族の方たちからの声が寄せられているそうです。

 詳しくは『認知症予防ゲーム―テキスト―』(高林実結樹著・NPO法人認知症予防ネット発行・1000円)が出版されています。

NPO法人認知症予防ネット
〒611-0031 京都府宇治市広野町一里山15-10、TEL 0774-45-2835、FAX 0774-45-2793

◆テキストの発売所
中西印刷株式会社出版部
〒602-8048 京都市上京区下立売通小川東入、TEL 075-441-3155、FAX 075-417-2050

●高林実結樹
NPO法人認知症予防ネット理事長、「高齢社会をよくする女性の会・京都」運営委員。1931年京都市で生まれる。78年、母が認知症の発症初期に「頭がぼうっとするから治してほしい」と医師に訴えたが、「治らない」と断言されたことがきっかけで認知症に関心を持つ。81年武田病院勤務、95年退職。90年より「高齢社会をよくする女性の会・京都」運営委員。93年認知症予防に取り組む「スリーA」の成果と存在を知る。2004年NPO法人認知症予防ネット創設。