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りらいぶジャーナル

<41>あきらめないで

 先日、私が担当しているクラスの1つが日本語4級テストを受けました。これは正式なものではありませんが、東忠が日本語能力試験に準じて作成したもので、これに合格すればここでは4級相当の能力があると認定しています。それと同時に「4級会話テスト」として、4級文法を使用したテストを行いました。これが私の担当です。結果は17名中14名が合格。さらに追試により15名が合格で、2名は不合格となりました。

 普段から接しているので予想通りといえばそうなのですが、選択式マークシート形式の4級テストにはかろうじて全員合格しただけに、とても残念でした。

 外国語は文章を見て読むのはわかるけれども、会話を聞いて理解することができないことがとても多いと思います。まして彼らの多くは日本語の勉強を始めてまだ数カ月です。いつも思うことですが、語学のセンスと本人の努力が非常に重要です。他人と同じことをしても同じレベルに達しないならば、他人の2倍も3倍も努力が必要だと思います。

 私が言えるのは、「今ならまだ間に合うから、単語と文型を何度も読んで話して、教科書の会話文は全部覚えてしまいなさい」ということだけでした。

 でも、不合格だったうちの一人が現在、他のクラスメイトが技術の勉強をしている終業後に、毎日一人で声を出して教科書を読んで自習しています。効果はまだ特には感じられませんが、彼がこのまま努力し続けるならば、必ず会話が成立する日が来ると信じています。本人があきらめてしまわない限り、私もできるだけ話しかけて刺激を与えたいと思っています。
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さんべ・きょうこ●短大卒業後、ホテルなどでのブライダル関係のプロデュ-ス会社を経て、ソフト開発会社での開発デザインおよび新人マナー研修業務などを歴任後退職。在職中に中国に魅せられ、北京や山東省を中心に度々訪問。開封市(河南省)での短期留学や大連への2カ月の出張経験などを持つ。