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りらいぶジャーナル

<29>継続は力なり

 現在教えている企業仮採用研修クラスに、今年7月上旬に卒業した学生が4人います。1人は最初から日本語1級を持っており通常の会話にはまったく支障がありませんが、ほかの3人は東忠人材で「あいうえお」から勉強を始めた学生たちです。

 卒業したばかりのころはまだ「上手に会話ができる」とはお世辞にも言えませんでした。しかし、そのうちの一人が今年12月に2級を受けると決意し、自分で2級用の勉強を開始しました。いつも教科書を手放さず、休憩中にも勉強をしている姿をよく見かけました。

 そして、1カ月半を過ぎたころ、突如普通に私と会話ができるようになったのです。今まではわからない言葉を理解するのに少々時間がかかり、会話が止まることがよくあったのですが、あるとき突然何の支障もなく、たまにわからなくてもすぐに反応が返って来るようになりました。これには本当にびっくりしました。

 本人に聞いたところ、本人自身も自分のレベルが上がった瞬間に気付いたそうです。今まで勉強した教科書にはふりがなが振ってありましたが、2級の教科書ではふりがながなくなったそうです。でもとにかく単語を重点的に覚えていったところ、ある日急に読めるようになったとのこと。読めない単語でも知っている単語の部分部分を組み合わせることで、正しく読めるようになったというのです。日本語には訓読みという面倒なものがあり、まだときどき悩むこともあるようですが、「勉強が楽になった」と話していました。

 「継続は力なり」を目の当たりにした瞬間、これには私もとても感動しました。

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さんべ・きょうこ●短大卒業後、ホテルなどでのブライダル関係のプロデュ-ス会社を経て、ソフト開発会社での開発デザインおよび新人マナー研修業務などを歴任後退職。在職中に中国に魅せられ、北京や山東省を中心に度々訪問。開封市(河南省)での短期留学や大連への2カ月の出張経験などを持つ。