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りらいぶジャーナル

手品の周りで

植松正之著(個人書店)1800円

 テレビでよくマジック番組を放送している。思わず「すごい」と思わせられるが、著者の目には「マジックを素材としたプロデューサーの作品」と映る。出演者全員がサクラで、カメラで写される部分だけがマジックというのは本当にマジックといえるのか。

 そんな疑問も含めて、手品師でもある著者が手品の周囲で起こったさまざまな出来事への思いを文章にした。アマチュアマジックの老舗「横浜マジカルグループ」メンバーで、ホームページに掲載していた文章「コーヒーブレイク エッセイ『手品の周りで』」をまとめたもの。決して手品の手引き書でもタネ明かしでもない。でも手品師って何を考えながら手品をしているんだろう、ということがちょっぴりわかる。