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りらいぶジャーナル

実践力重視のカリキュラム

目的意識高いシニアに期待
ビジネス日本語教師養成コースも新設
インターカルト日本語学校

 すぐに一人で教壇に立てる――。そんな実践力を備えた日本語教師養成に取り組んでいるインターカルト日本語学校(東京都台東区)。外国人向けの日本語学校も併設している。「養成講座で学ぶメリットは理論と実践の双方を身に付けられることですが、さらにプロとして実践力ある教師を養成するため、教育実習に力を入れています」と教務・コーディネーターの米山陽一氏(=写真)は話す。実習に180時間ほどの時間を費やすほか、初級・中級と段階的にステップアップを図るという。

 初級では教案作りから授業まで、すべてを一人でこなす。「受講生は与えられたテーマについて、まず教案を作成し、次にクラスでプレゼンテーションします。それに対する意見交換と先生によるアドバイスを受け、模擬授業を行います。そして、この受講生が行う授業のテーマが初めてという外国人学習者を日本語学校から選抜します。その外国人を相手に授業を行うのです。自動車学校でいえば路上教習のようなものですね」

 さらに中級になると、受講生自身が日本語クラスに入り、担当教師のアシスタントをこなすことになる。「板書や学習者の会話の相手などしながら、コミュニケーションの方法を学び取っていきます。日本語学校の場を生かして経験を積むことができます」

 同校でもシニア受講生の姿が見られるようになった。学務の谷口真理氏によると、「海外駐在経験者が駐在していた国でロングステイしながら日本語を教えたい、あるいは海外で看護師として働いていた経験のある方は海外で苦労したことから、来日した外国人看護師の手助けをしたいなど、学ぶ目的が明確だ」という。

 米山氏自身も45歳で百貨店員から日本語教師に転身した。「私もいったんリセットした身。新しいことができるという喜びをもってチャレンジしてほしい」と呼びかける。「日本語教師という仕事は最終的には人間対人間。今までやってきたことをやってやろうと気負うのではなく、仕事をしていくうちに自然とその面白さがわかってくると思います」

 同校では今年、新たに「ビジネス日本語教師養成コース」を開講した。外国人が現実のビジネスシーンで必要とされるビジネス日本語を教授するための方法を学ぶ。このコースでも意欲的なシニアが学んでいるという。
(2009.7.17)