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りらいぶジャーナル

R&I、MFGC共催でシンポジウム

“りらいぶ”は健康から始まる
統合医療の考え方を推進

 リタイアメント情報センター(R&I)は10月24日、第3回シンポジウムを開催した。テーマは「人生“りらいぶ”」。今回はNPO法人国連支援交流協会メディカル市民フォーラム(MFGC)と共催し、健康と統合医療、生きがいづくりにかかわる講演やパネルディスカッション、チャリティーライブを行った。

病気にならない体をつくる

 統合医療分野で活躍する医療関係者や医療ジャーナリストなどを迎え、健康と現代医療の問題点を語るパネルディスカッション「これでいいのか現代医療 !  Quality of Deathの考察」では、国際医療福祉大学大学院教授でジャーナリストの黒岩祐治氏がモデレーターを務めた。
 黒岩氏は自身の父親ががんに罹患し、抗がん剤の壮絶な副作用を目の当たりにした経験から漢方を併用、「余命2カ月といわれたが、2年半生きた。命のカーブがゆっくりと下降して、最後にストンと落ちて亡くなった感じだ」と西洋医療にない漢方の力を実感したと語り、「中国医学と統合医療の連携が必要ではないか」と述べた。

 東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニックの川嶋朗所長は「西洋医学は人体の敵を攻撃するのは得意だが、それ以外のことは苦手。だが、特に高齢社会になってから西洋医療だけでは片付けられない」と現代医療の限界に言及した。さらに「人間はいずれ死ぬ。だからこそ死を考えることがポジティブな生き方を考えること」と本テーマの核心に触れ、そのためには「医者の言いなりにならず、自分で考えること」と自己管理の重要性を訴えた。

 健康増進クリニックの水上治院長は「西洋医学でいうエビデンス(治療効果の根拠)は統計学的発想。それを体質や生活環境などが異なる患者一人ひとりに合わせた治療を行う漢方に取り入れようとするのは乱暴だ」と主張し、「患者を研究対象としか見ないことが西洋医学の弱点」と指摘した。

 自然薬方研究所の佐藤成志所長は「現代医療は薬漬け。根本治療とは薬がいらなくなることだ」と述べ、「現代の病は体質によって引き起こされる。病気にならない体にするには食べ物と水が大事。原則として自分の健康は自分で守ることだ」と食事の重要性を指摘した。

自分の健康、自分で守れ

 メディカル市民フォーラムが実施する統合医療塾生もパネリストとして参加した。フットセラピーの普及とセラピスト養成を行っているNPO法人日本フットセラピスト協会の本山硯硯士理事長は「健康のベースは食事。次に栄養を全身に行き渡らせるために歩くこと。フットセラピーは家族で健康管理ができる」と語った。

 また看護師の渡部智子氏は「医療現場に栄養学が必要。医療従事者もレベルアップを図らなければならない」と述べた。

 放送プロデューサーの有泉孝氏は「特に自己免疫力を高めれば病気にならないという情報が必要」としたうえで、「テレビ番組など一時の健康情報に流されず、自分の頭で考えるよう賢い消費者になるべきだ」と主張した。

“生涯青春”は5Kプラスワン
人生観構築と筋トレでりらいぶ実現

 「生涯青春」を合言葉として、多くのシニア層に健康の大切さ、生きがいの尊さをフィットネスクラブ「メガロス」の事業を通じて伝えてきた山﨑徹氏。今年6月に同社社長を退任し、新たなリタイアメント・ビジネスを展開すべく、起業した。

 山﨑氏は生涯青春を手に入れるために「人生観を変えるべき」で、その要素は「5Kプラスワン」だと主張。それは「好奇心・行動・継続・結果・感動、そして健康」であるとし、「好奇心がすべての原点となって実際に行動する。それを継続することで自分や家族など周りの人を幸せにできるという結果を生む。すると多くの感動を手に入れることができる。これを続けるためには健康であること」と説いた。

 それには運動、特に筋力トレーニングが重要で、「一番鍛えなければいけないのは大腿四頭筋。この筋肉で脂肪が燃焼されるのでメタボ対策に打ってつけ」であり、「女性はみずみずしく若々しく、男性は格好よくなるだけでなく、自然治癒力がよみがえり、精神力や集中力も付く」とし、「これからは筋肉の貯金を」と強調した。

 さらに「お金を使う知恵を付けることも大事」だとした。「年甲斐もなく、というネガティブな言葉には耳を傾けず、自分の人生は自分で作る。そして健康で長生きすること」と、生涯青春を手に入れようと呼びかけた。

生きる力、音楽で

 シンガーソングライターで作家の朝霧裕さんとフルーティストの五島章太郎さんによるチャリティーライブ「今を生きる」も開催された。朝霧さんはアルバム「ドレミ」から「陽の下の花」など、五島さんは山田耕作の「箱根八里」などを披ろう、演奏者のユーモアあるトークにも拍手が飛んでいた。
(2009.11.05)