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りらいぶジャーナル

ツンゴウレンを知らぬリーベンレン

-井口恒夫-

 「ツンゴウレン」「リーベンレン」とは、北京官話による「中国人」「日本人」という言い方である。近年、彼の地の富裕層の米国・その他諸先進諸国への移住が極めて盛んという。中国の未来に見切りをつけ、祖国を見捨てているのだそうだ。

 この海外への大逃亡について中国国内紙の経済参考報が彼らに取材したところ、その理由とは「食品や医薬品の安全問題・環境汚染・公共サービスの悪さ・社会的不平等・法体制の不整備・権力の横暴・投資やビジネス環境の悪化」等だそうで、なんと生活環境一切合切ゼーンブが極悪だから、ということになる。脱出できない一般庶民はホントニホントニかわいそう。

 私も小学校入学までを中国で過ごしたから、ツンゴウレンのいまも変わらぬ文化・習性である吐痰・手鼻・立小便は北京で覚えた。いまでも手鼻なら鼻汁を足の先約50センチの所に正確に当てられる。

 戦前、天津の日本租界入り口には「犬と支那人入るべからず」との看板が立てられていた。差別云々はともかく、昔のリーベンレンは何といっても存在感があった。しかしいまのこの軽さときたら……。
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【井口恒夫】定年退職後に調理師学校に入学して調理師免許を取得した経験を『調理師学校に行こう!』にまとめ、ほぼ完売。学校や百貨店で食品衛生の授業・仕事に携わりながら、地元町内会副会長、神社世話人としても活躍中