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りらいぶジャーナル

日本のアニメ・漫画は世界の若者を席巻するが…

-井口恒夫-

 日本のアニメ・漫画が世界の若者たちを席巻している。今年も7月にパリ近郊でアニメや映画、ゲームなどを紹介するジャパン・エキスポが開催された。ちょうど10年前の初回は来場者3000人だったが、今回は16万5000人と大盛況で、来春はベルギーでも実施されるという。

 4年前のこの時期、パリ郊外に住む16歳の少女2人が家出し、ポーランド警察に保護された。同じ学校に通う2人は日本のアニメやロックの大ファンで、陸路でロシアを横断し、船で憧れの国、日本に渡る計画だったという。突飛な女の子もいたもんだと思ったとしたら、とーんでもない! ローマの大学生に「日本のアニメは好きか」と社交辞令で聞いたら、「ぼくたちは日本のアニメで育っているよ」と切り返されたそうだ。ドイツ人の30歳の男性は「えっ!? “キティちゃん”が日本生まれとは知らなかった。ドイツでは当たり前のようにあり過ぎて」。もう幼児のころから日本文化が植えつけられているのだ。

 我々が最も憧れる花の都、そこのパリジェンヌたちの憧れが日本のアニメ・漫画だということから、この日本の優れた文化、特にアニメ・漫画のヨーロッパ、いや世界的な浸透、そしてそれが20前後から30代という若い人たちを席巻しているこの事実を深慮する必要がある。彼らが期待に胸を膨らませて来日したとき、はたしてがっかりさせないような、わが国この日本だろうか。
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【井口恒夫】定年退職後に調理師学校に入学して調理師免許を取得した経験を『調理師学校に行こう!』にまとめ、ほぼ完売。学校や百貨店で食品衛生の授業・仕事に携わりながら、地元町内会副会長、神社世話人としても活躍中