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りらいぶジャーナル

タイ検定 ASEAN検定シリーズ タイ検定公式テキスト

赤木攻監修(めこん)2000円+税

 ここ何年かにわたって政情不安が報道されているタイ。その報道のされ方見ていると、バンコクはもちろん、タイ全土が危ないのでは、という印象を受けてしまう。けれども、タイをよく知る人は現地の状況を把握し、テレビカメラの裏側も垣間見ているので、対処の仕方もわかっている。そういう事情通が身近にいると旅、あるいはタイでの生活のスタイルも変わるだろうし、タイという国をより理解しようと自分なりに興味を持って情報収集するようになるだろう。

 タイにハマる日本人は多い。バックパッカーしかり、駐在経験者しかり。だが、「ただの『タイ好き』で満足ですか?」と本書はけしかける。本書は今年から始まる「タイ検定」の公式テキストなのだ。

 タイ検定とは、一般の観光ガイドブックなどでは得にくい歴史や文化を始め、スポーツ、食、しきたり、信仰などタイの常識を理解し、相互交流を深めることを目的に実施されるようだ。まずは2010年8月29日、東京・名古屋・大阪・福岡で第1回3級の検定を実施する。
 また、タイだけではなく「ASEAN検定シリーズ」として、ASEAN諸国の検定を実施していく予定だという。

 さて、本書はタイの常識を理解し、検定に対応する構成となっている。各項目見開き2ページで読みやすい。執筆者はタイブームの火付け役といわれるライターから、筋金入りの東北タイウォッチャー、タイの鉄道を研究する大学研究者、リゾートホテルを得意とするライターなどそれぞれ個性あふれる事情通たちだ。だからなのか、タイ初心者にとっては「もっと知りたいのに」と読者に欲求不満を募らせるような気持ちにさせられてしまうかもしれない。でも、それはそれでよい。自分で調べるようになるだろうから。

 本書はタイトルに「タイ検定」と銘打っているので、タイ好きだけどもっと通になりたい人、タイが好きになりかけの人、これからタイに旅立つ人、あるいは検定マニアに参考になるだろう。

 ちなみに、タイ検定申し込みは7月30日まで。受験料は3150円(税込)。詳しくはASEAN検定事務局まで。