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りらいぶジャーナル

82からの創作紙芝居

高木孝さん

 80歳まで営業マンとして働き、82歳から紙芝居を始めた高木孝さん(86)。退職後、新聞で見かけた紙芝居と無声映画の愛好家が集まる東京都足立区の「蛙の会」を知り、さっそく入会した。文学者や大学教授、テレビキャスター、ジャーナリストなど趣味とはいえ極めようという会員たちばかりでレベルは高いという。

 高木さんはそんななか、図書館で見つけた芭蕉の紙芝居に興味を引かれて、自分のものにした。芭蕉記念館でも実演したこともあるが、「もとが教育紙芝居のため、内容が硬い」。

 そこで、高木さんはこの紙芝居を元に、芭蕉が描かれた資料や絵を探し出し、見て楽しめる紙芝居を自作したのだ。いろいろな絵本などから絵をカラーコピーし、台紙に貼り付けた。台詞も資料や歌から抜き出し、オリジナルに仕上げた。引用の際には出版社などに確認、ボランティア活動で行っているということで、快く使用を承諾してくれたという。
「やはり見ていただく方に喜んでいただかないと、私も面白くないんですね」

 芭蕉の紙芝居は「こいするおくのほそみち」、昔話「つるのおんがえし」はラストをハッピーエンドにしようと「新つるのおんがえし」を創作。さらに「瞼の母」の映画から写真を切り張りして、紙芝居版「瞼の母」を制作した。「蛙の会で活弁士もやるので、この作品も紙芝居にしたら面白いと思ったんですよ」
 高木さんは「大人の紙芝居」と称し、大人も楽しめる紙芝居を演じる。「これから、『西遊記』『ベルサイユのばら』もやってみたいです」
(2010.05.26)