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りらいぶジャーナル

「学歴」「職歴」のない履歴書

アラカンの俳優修行 ~3~
信田参平

 明治座アカデミーの存在は以前から観劇の折などに知っていましたが、応募しようと決断したのは新聞広告を偶然に目にしたときでした。「観る側から演じる側へ!」というコピーは、それ程インパクトが強かったのです。

 一度決めたら何をするにも手早くしないと気のすまない性質の私は、即座に募集要項を取り寄せるべく申し込みました。

 数日後届いた応募必要書類を見て吃驚! オーディション用紙「履歴書」なるものに記入しなければなりませんが、これには学歴も職歴も書く欄がありません。代わりに身長・体重から靴のサイズまで書く欄、芸歴や志望動機、自己PRなどを書く欄があります。

 何より困ったのは大きめの全身写真が必要なことでした。胸上は撮れても、全身が撮れる写真ボックスってありません。仕方ないので家族にデジカメで不満足な出来の写真を撮らせ、ついに応募しました。俳優になるのに学歴も職歴も関係ない、というのは考えれば当然だけど、かなり新鮮な驚きでした。

 締め切り後、しばらくして「書類審査合格」の通知と、第十期生選考オーディション(第二次審査)のお知らせが届きました。
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【しのださんぺい】 1947年生まれ。帝人にて宣伝・マーケティングを長く担当。40歳で転職。50代半ば日本語教師養成講座修了。日本語教材の凡人社に2009年12月末まで勤務。この間60歳で明治座アカデミーの俳優養成コース受講、09年11月修了。現在、明治座アートクリエイト登録俳優。本名、鈴木信之。ザ 日本語教師――十人十色「書店を拠点に日本語教育ネットワークを」