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読んでみた本
「骨盤おこし」で身体が目覚める 一日3分、驚異の「割り」メソッド
りらいぶジャーナル
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⑥ 人と心と音楽、ヨミガエル感情-釼持範勇- 私が音楽事務所に所属していたころの話です。その事務所の方針として音楽ボランティアを行う活動があり、老人介護施設に行ったことがあります。 当日5人のメンバーとギター3本、胡弓1本、タンバリンを持って施設に向かいました。施設ボランティアは初めてで、どんな雰囲気なのか楽しみでした。 しかし施設に入り、まず最初に感じたことは、働くスタッフが疲れ切っているということ。叫び出方、泣き出す方、歩行がままならない方、そうした利用者の方々に対応するスタッフの数が少なく、演奏ルームに誘導している姿は大変そうでした。 最初はどうなるか不安でしたが、演奏が始まると、利用者のみなさんの視線は私たちにくぎ付けになりました。「ふるさと」「荒城の月」や童謡を演奏中、手をたたいたり一緒に口ずさんだり立ち上がったりするほど興奮していました。 ラストの「見上げてごらん夜空の星を」を演奏したとき、介護スタッフが驚きの声を上げました。「Aさんが歌っている!」。見ると、10年間口を開くことがなかったというAさんが歌っていたのです。リクライニングにもたれたAさんが涙を流しながら歌っている姿に、私たちメンバーも感動を隠せませんでした。 世間では音楽療法という言葉も知られるようになりましたが、音楽の持っている力は素晴らしいと改めて感じたのです。 私たちも音楽を聴くことで過去の忘れていた記憶がよみがえってくることがあります。高齢者や障害者の方も音楽を聴いたり、楽器を鳴らしたり、歌を歌ったりすることで、昔の記憶がよみがえってきて大きな声を出したり、麻痺や拘縮した手を動かしたりすることがあるそうです。肉体でなく心を癒すチカラがあるんですね。 いま介護業界では人手不足が問題になっています。有資格者は多いのですが、仕事として続ける人が少なく離職率も高いと聞いています。この施設での音楽ボランティアを体験をしたとき、介護スタッフの疲れた姿がまず目に飛び込んできました。そこで現場で働くスタッフに「元気付ける歌」を書きたい!と思いました。でも、歌を書くなら自分が体験をしないとわからないと思い、その後介護の世界に入ったのです。 |
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