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りらいぶジャーナル

④ できないことはできる

-釼持範勇-
(YSフィットネスクラブ呉服町インストラクター)

 6月17日、東京ビッグサイトにて開催された「ヘルス&フィットネスジャパン2009」に行ってきました。いろいろな最新のマシンがあるなか、特に印象に残った物は「可動域を拡げるマシン」です。通常、筋トレといいますと重りを付けて筋肉を収縮し刺激するものですが、近年可動域を拡げるマシンが増えているとか。

 歳を重ねる度に身体の可動域が制限されてきます。といいますか、動かさなくなるために動かなくなるのです。子どものころは普段の生活のなかで飛んだり跳ねたりひねったりして動き回り、いろいろな運動をしていましたが、大人になると同じ動作の繰り返しになってしまいます。その結果、使われる筋肉と使われない筋肉の特徴ができ上がり、刺激の少ない筋肉はだんだんと硬くなります。そして血行不順が生じ、首や肩腰など痛みとなって表に出てくるのです。

 でも、使われていない筋肉を意識して使うことによって、これらの悩みが予防できます。

 Aさん(55歳女性)は「腰痛がひどい」と悩んでおられました。話を聞いてみると、座布団に長時間座ることが多い、同じ姿勢でいることが多いとのこと。身体が硬いので、ご自身で反動を付けたストレッチをしていました。

 そこで特に下半身が硬いため、股関節やふくらはぎ、お尻、腰のストレッチを紹介しました。反動は付けずに、息を吐きながらジワジワ可動域を広げるようアドバイスしたところ、「効く効く! すごく気持ちがいいねえ」とAさん。1週間後には、「普段使っていない筋肉を伸ばすのは気持ちよくて、くせになるね。身体がとても楽になったよ」と喜ぶ笑顔を見せてくれました。

 ボタン一つで機械が自動で仕事をしてくれる便利な現代社会。例えば日常の家事も楽にはなりました。けれども、昔は誰もがやっていたはたきがけ、ぞうきんがけ、草むしりなど労力はかかりますが、普段使わない筋肉を使うと意識してやってみてはいかがでしょう。通常とは異なる刺激を加えることが筋肉の活性につながります。

 これから求められる運動は使わなくなった筋肉をどう使っていくかということ。それが健康への一歩だなと実感しました。「できないことはできる」、まずは身近でできるところから。
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けんもつのりお●YSフィットネスクラブ呉服町インストラクター。タレント活動、介護士を経てフィットネス業界へ。詳細は⇒こちら