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りらいぶジャーナル

リタイアメント候補地を探す旅の終着地

◎インドネシア バリ
ケアリゾート バリ社長 平川 龍さん

 トップクラスの営業マンだった平川さんは41歳で大手事務機メーカーから独立して会社を興したが、そのころから同世代の仲間たちと「退職後は海外で生活しよう」と話し合っていた。平川さんらは候補地選びにいくつかの条件を考えた。


「まず、円との貨幣価値ができるだけあること、それができるだけ長く続くこと。もうひとつは過激な宗教ではないこと。それと世界の観光地があること」
 将来親族や友人が喜んで来てくれるような場所であってほしい、そうなると隔離された高級リゾートではなく、周囲に観光資源も豊富にあることが望ましい。

 さらに忘れてならないのが健康だ。
「暑過ぎて、エアコンをかけながらでないと眠れない所はだめ」
 それが条件だった。
 数年かけてタイやフィリピン、マレーシアなど各国を回り、たどり着いたのがバリ島だった。
「でも、行ってみたら暑い。観光で1週間くらいならいいですが、長くいるとあの暑さはきつい。これは困ったねと話していたら、ガイドが『涼しい高原がある』と教えてくれたんです」
 その場所に現在、ケアリゾート バリはある。

(写真=高原地帯に並ぶコテージ)
 最初の家屋が建ち、施設がオープンしたのは2002年。現在はレストラン、大浴場、ショップ、カラオケなど多目的ルームを備えたセンターハウスを中心に一戸建て住宅が24棟(平屋建て80平方メートル、バリアフリー)が並ぶリタイアメントビレッジとなった。
「湖があって、地元の人がいて、風景は箱根のような感じ。風もさわやかで気候は9月初めの軽井沢のようです」

 村人にも快く受け入れられ、今では伝統的な村の祭事にも参加することができる。
「当時の村長さんが心を開いてくれた一番の理由は、大きなホテルのようなリゾート開発ではなく、長期滞在で村に住みたいから来るんだということでした」
 こうして、村人と家族ぐるみの付き合いができるリタイアメントビレッジが完成した。
「村長の子どもが大きくなって、もし日本に来たかったらぜひ世話をしたい、そんなことを言うメンバーさんもいますよ」
 リタイアメント候補地として一度は訪れておきたい場所だ。

(写真=バリは年中祭りを行っている。滞在者も村人と一緒に祭りの準備に加わる)

(2007.12.31)