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りらいぶジャーナル

自分の作風貫いて評価される喜び

大阪で絵画展を開催中
大澤泰さん

 大澤さんは大手ゼネコンを定年退職した後、京都造形芸術大学芸術学部の通信教育部に入学し、初めて本格的に美術を学んだ。「退職した後、ゴルフや囲碁などの趣味で日々を過ごすのも悪くない。でも私はもう少し突っ込んだことをやりたかったんです」と大澤さんは振り返る。

 もともと、子どものころから絵が好きだった。しかし中学・高校時代一度も美術部には入らず、絵からは遠ざかっていた。退職する5年くらい前から、ふと思いついて社会人向けの絵画教室に通い始めたことが少年時代の思いに火を付けた。教室での日々もそれなりに楽しかったが、次第に物足りなくなった。

 やがて退職の日を迎えようとするころ、思いきって美大を受験するつもりでデッサンの勉強などを始めていた。そんなとき、京都造型美術大に通信教育部があることを知った。社会人枠ということで無試験で入学できたが、楽だったのはそこまでだった。

 「入るのは易しいですが、課題が次々と出されるのでそれをやり遂げてゆくのは大変だったのです」(大澤さん)
 実際4年で卒業できたのは1割ほど。大澤さんはそのなかに入っていた。そればかりか卒業したその年に公募展の一つ「太平洋美術展」に応募して見事入賞した。

 大澤さんの絵は写実性を追及したリアルな作風で、現代絵画の主流とは異なっている。美大時代に教授から作風を変えたらどうかとも言われた。しかし緻密にリアルに描いていくのが好きだからそのスタイルを貫いている。描かれた作品はどれもどこか懐かしく、温かみが伝わってくる。
ミシンのある静物(油彩,F100,2005年)太平洋展奨励賞
 「大澤泰ミニ絵画展」は肥後橋シミズビル一階ロビー(大阪市西区土佐堀1-3-7)で7月31日(8時30分~18時)まで開催されている。大澤泰さんのホームページは⇒こちら
(2009.05.22)