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りらいぶジャーナル

人生最高のとき、それはリタイア後にある

ハワイからのメッセージ

ハワイ大学ヒロ校コンファレンスセンター
アドミニストレイティブ・ディレクター
ジュディス・フォックス・ゴールドステンさん

 大学や地元の人々からハワイ島の自然、伝統、文化を学びながら、自身の生きがいを発見していこうという「ハワイ・ヒロスタイル」(M.K.Y.グローバルマーケティング)。リタイアメント情報センター(R&I)が推奨する「りらいぶプログラム」のひとつだ。

 その根幹となるハワイ大学ヒロ校が実施する「エドベンチャー・プログラム」について、同校コンファレンスセンターのジュディス・フォックス・ゴールドステンさんが日本人シニアに向けてメッセージを送ってくれた。

●エドベンチャー・プログラムを組み立てられた経緯、これまでの実績、大学のプログラムとして行うことの意義について、お聞かせください。


 それはワシントンDCからのリクエストから生まれました。そのリクエストとは、ハワイの観光客やあらゆる世代の学生にハワイの文化、科学、芸術、レクリエーションなど経験に基づく実用的なプログラムを作ってほしいというものでした。そこで、ハワイ大学ヒロ校でプログラムが始まったのです。

 初めてのエドベンチャー・プログラムを成功させたことにより、数多くのリクエストが舞い込み、現在はハワイの代表的教育プログラムとして州内でも認知されるようになりました。

 すでにこのプログラムは毎年、学生やファミリー、シニア、団体などあらゆる世代の何千人もの方に体験してもらっています。大学を訪れる人すべてが善意のある方たちであると考えています。

 そして、それらがどのような形であれ、ハワイ大学ヒロ校のアロハ・スピリットや善意を広めていくということは、両者にとって、とても有意義なものであると考えます。団塊の世代の人たちにとっても、ハワイのお年寄りとの出会いから学ぶことはたくさんあり、文化的交流をすることは有意義なものと考えます。

●このプログラムはどのような点でシニアにとって有意義なのでしょうか。

 特に9.11のテロ以降、団塊の世代にとって、今までの家族との関わり方が大きく変わったように感じます。
 今までは遺産という形でモノを残すということが世代を継承するうえではありましたが、今では思い出や行動をともにすることを望んでいるのではないでしょうか。

 さらに、私たちが団塊の世代やシニア向けに開発してきたプログラムに加えて、新たに世代間を越えるマルチ・ジェネレーション・プログラムをスタートさせました。これにより、おじいちゃん、おばあちゃんはその家族へ本当に心に残る「gift」を与えられるのではないでしょうか。

 また、シニアは私たちにとってなじみ深い学生グループです。なぜならば、シニア学生は大変意欲的な方が多く、最も好ましい学生だからです。そして私たちにとって、そのようなシニア学生にこのプログラムを提供できることは大変光栄であると同時に、私たちも彼らから多くのことを学ぶことができるのです。

●R&Iでは「りらいぶ」を提唱しています。この理念に照らし合わせると、エドベンチャー・プログラムはどんな点がアピールポイントとなるでしょうか。また、受講生に期待していること、さらにプログラム修了後、イメージできる修了生のライフスタイル像はどんなイメージでしょうか。

 エドベンチャー・プログラムを終えた多くの団塊の世代の方々はさまざまな影響を受けています。

「新しい知識を得ることができた」
「たくさんの地元の人と新たに出会うことができた」
「新しい文化を学ぶことができた」
「ハワイのシニアと日本人シニアの共通部分を発見することができ、異なる言語を話していても、同じであるということを見出せた」
「参加したシニアも、そして私たちもまた見聞を広められたという喜び」
「そして、新しい友だちを作ることができた!」

 新たな人と人との出会いの機会は歳を取るほど減っていきます。けれども、このプログラムによって新しい出会いを得られるということ、人生これ以上の喜びはないのではないでしょうか。

 また、旅は偏見や先入観を変えるものであり、異なる文化や新しい知識を得て見聞を広めることです。そして、より豊かな人間性を生み出し、世界に対する理解力を深めることができます。

 特にこのハワイ島では、科学が好きな人にはその科学の知識を深められるチャンスがあり、環境学について学びたいと思っている人は世界の13の気候帯のうちの11をこの一つの島で体験できるという最高の場所でもあります。

 このプログラムには、ハワイ島の旅が好きになるような要素がたくさんあります。そして、経験豊かなハワイのクプナ(シニア)との触れ合いで学ぶことは、何ににも変えがたいものになると信じています。

●まだ退職後の生活をイメージできない日本人シニアに対して、メッセージをお願いします。

 私の考えですが、人生の最高のときというのはリタイア後にあると思います。
 なぜならば、時間があるこのときにこそ自由に「学ぶ楽しさ」を経験することができ、自分自身の新たな可能性や人生観を探ることもできるからです。
 自分の人生の第2ステージを無駄にしないでください。リタイア後の自身の成長、発見、出会い、旅は今までに経験したこと以上に素晴らしいものとなると思います。

●ジュデイスさんご自身の“りらいぶ的生き方”について、お聞かせください。

 私自身が団塊の世代ですが、リタイア後のことは心配していません。なぜなら私は探究心が大変強く、幸いにもこの情熱をリタイア後も絶やすことはないと思います。

 私の探求心とは執筆活動です。現在、私はプライベートでコンサルティング事務所を持っており、また同時に地域プログラムの活動にも貢献させてもらっています。

 このように社会に貢献し続け、活動を続けるということは私にとって最も大切なことです。しかしながら、私の一番根底にあるものは、「学び続けたい」という、終わりのないその気持ちです。
(2009.03.27)


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