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りらいぶジャーナル

熱帯の自然を肌で感じる

タイで“グリーンツーリズム”

 タイは各国から観光客を受け入れる国際観光を促進している。なかでも、持続可能な観光としての「グリーンツーリズム」は戦略的事業だ。2月に東京都内で記者会見に臨んだタイ国政府観光庁(TAT)のスラポン総裁も2011年度の展開の一つとしてグリーンツーリズムを強調した。

 TATは4月11日、バンコク都内で各国の旅行業者らを招いて開催したソンクラーン・グランド・インヴィテーション2011のなかで、グリーンツーリズムの取り組みとモデルコースを紹介した。タイ国内には102か所の国立公園、57か所の自然保護指定地区がある。トレッキングやサイクリングなどのアクティビティのほか、バードウォッチング、少数民族を始め農山漁村民の暮らしと文化を学ぶカルチュラルツーリズムやアグロツーリズムなどメニューも豊富だ。

 今回はカオラックとカオソック国立公園のグリーンツーリズムの例を紹介する。

タイで“グリーンツーリズム”-1-
●ジャングルの川下り
バンブーラフティング

 プーケット国際空港から北へ車で約1時間のカオラック。アンダマン海が広がるビーチ沿いにはリゾートホテルが建ち、欧米人に人気がある。また、世界中のダイバーが憧れるダイビングスポット、シミラン諸島とスリン諸島への玄関口となっている。

 しかし、海だけではない。背後は野生のトラが潜み、世界一の大きい花ラフレシアの咲く熱帯ジャングル。ここはタイ最大規模の国立公園に指定された大自然の宝庫なのだ。

 その大自然を体感する方法の一つにバンブーラフティングがある。つまり、竹で組んだいかだで川下りをする。道が未整備だったころの村人の交通手段だという。
 いかだは2人乗りで、船頭が1人付く。船頭は長い竹ざおで巧みに船を操る。

 腰を下ろす部分にはさらに3本の竹がいかだに垂直に置かれているが、水の流れが早い瀬を通過するときには確実に尻が濡れるので、濡れてもいい格好か、水着がいい。途中、淵もあって泳ぐにはもってこいだから、泳ぎたかったら断然水着だ。地元の子どもたちの遊び場にもなるのだろう、川岸で水遊びする子どもの姿もあった。

 水は冷た過ぎずぬる過ぎず、気持ちよい。水流はさほど早くなく、のんびりした川下りだ。周囲は熱帯ジャングル。船頭が指差した木の枝を仰ぎ見ると、枝に絡みついた睡眠中のヘビがいた。

 別の場所でもバンブーラフティングを体験した。周囲のジャングルからはサルや鳥やセミの鳴き声が聴こえ、川から目線を上げれば石灰岩の奇岩群がそそり立っている。目と耳と鼻と肌でそんな自然感じながら、こちらものんびりした川下りだ。

 途中でいかだを降り、山道を少し登った洞窟の前でコーヒータイムが待っていた。
 竹筒に水を入れ、焚き火で湯を沸かす。その竹筒にはあらかじめハーブが入っており、ほのかにハーブの香りが漂う。その湯でコーヒーを入れて手製の竹コップでいただく。竹コップは土産となる。

▽続く
2. ソック湖の奇岩群と水上バンガロー
3. リトル・アマゾンの船旅
4. エコを実践するホテル
5. タイのグリーンツーリズム
6. エコツーリズムの必須条件
7. エコツアー参加の心得
8. エコツアーが抱える問題
★津波被災者を支援する「さをり織」プロジェクト
★ホテルガイド <プーケット・カオラック・バンコク>