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りらいぶジャーナル

趣味でつながる、広がる

音楽、語学、スポーツ

 混声合唱にアコーディオン、ゴルフに山歩き、囲碁と、比企野芳郎さん(69)は多趣味な定年後を生きている。

 「混声合唱は、家内が入会していた合唱団で『男性が足りないから』と言われて行ったのですが、そこに高校の先輩が4人もおられ、やめられなくなって結局20年以上続いています」
 年3回ほど発表会のステージにも立つという。

 さらにアコーディオンのレッスンにも余念がない。エレクトーンを習っていたこともあったが、「持ち歩けばどこでも弾ける」とアコーディオンに転向、10年経った。

 ゴルフは病を患ったことを機に始めた。
 「35歳のとき、急性肝炎で2カ月入院したのですが、そのとき上司が『酒はやめて、ゴルフをやれ』と勧めてくれたんですよ」

 山歩きは高校同期生の誘いで始めた。それまでは社交ダンスをやっていたが、お金がかかりステップを覚えるのも大変だったため、今ではもっぱら山歩き。1カ月に1度は山を楽しむ。

 父親が趣味だったという囲碁は自然と覚えた。現在は阿賀関西支部長に誘われ、高校OB対抗戦にも参加している。

 さらに語学が好きで、英語も小学生のころから習っていたという。
 「私が子どものころの昭和20、30年代は進駐軍の時代。『ギブ・ミー・チューインガム』に始まり、日曜学校ではアメリカ人牧師に話を聞いてお菓子をもらっていました」

 とくに父親が「これからの時代は英語が話せなくては」と小学生のときから英語教室に通わせてくれたという。そして中学、高校、大学とESS(英会話クラブ)に入り、さらに英語で話すことの楽しさを知った。

 R&I関西支部では2009年12月にマレーシア旅行を開催したが、このときも比企野さんは事前にマレー語を勉強、現地でも積極的に会話したという。
 「外国人に話しかけて言葉が通じたとき、相手がにっこり笑って反応したり日本語で返してくれたりすると、短時間で親しくなれますよ」

(沖縄・名護市のフルーツランドで)
 比企野さんの趣味は会社員時代から、早くは小学生のときから続いているもの。比企野さんは60歳で阪急電鉄を退職、その後2年間、グループ会社の社長を務めたが、その任務は会社の清算だった。従業員の再就職や資産整理に奔走した。だから、「定年後」を意識したのはその直前だったという。

 だが、それ以前から多趣味だったため、何をしたらいいのか困るということはなかったのだ。
 「趣味があれば自然に人との交流ができて、今までと違った世界が見えてくる。まさに、『イッツ・ア・スモール・ワールド(小さな世界)』です」

 現在 比企野さんは民生委員児童委員を務める。とくに独居高齢者が引きこもりにならないよう 地区の福祉会と連携して音楽会や食事会、映画鑑賞会などイベントを企画している。
 「アコーディオンの伴奏で高齢者に昔の歌を歌ってもらい、楽しんでもらいたい。そのためにいま、練習に励んでいます」

 比企野さんの趣味が地域に生かすことのできる活動へと広がっていきそうだ。
(2011.01.22)