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りらいぶジャーナル

タイで介護 将来の介護に選択肢

日本人受け入れを歓迎

 日本の介護の将来に暗たんたる思いを抱く人は多い。経済連携協定による外国人介護士受け入れも暗礁に乗り上げた。介護スタッフ不足は避けられない状況となった。
 そんななか、タイの病院で日本人を受け入れようという動きが活発になっている。

 バンコク都内にあるクルアイナムタイ病院。同病院は10月、石川県七尾市の恵寿総合病院と介護士養成の技術協力で提携した。恵寿総合病院やグループの高齢者福祉施設がタイの研修生を受け入れ、介護技術を学ばせるというもの。タイ国自体が高齢化を迎えるためにその準備が必要ということもあるが、タイで日本人の要介護者を受け入れるという需要を見込んでいる。

 現にクルアイナムタイ病院の第2病院近くでは滞在型ケアホーム「ナチュラルホーム」(左写真)を運営している。介護士はもちろん看護師や管理栄養士、理学療法士らが常駐、滞在しながら介護を受けられる施設だ。また、ロングステイなどでサービスアパートメントなどに滞在中、同伴者に要介護者がいれば、同病院から介護スタッフを派遣するサービスも行っている。

 しかも病院内には独自の教育機関を持つ。修了生はタイ教育省から「看護助手」資格を認定される。カリキュラムには高齢者介護が含まれる。タイ古式マッサージや文化、観光、ビジネスマナーについても学ぶほか、日本語、日本文化の科目もある。

(清拭を実習する看護助手研修中の学生たち)
(簡単な傷の手当も行う)
(マッサージの実習)

 「将来、自分が介護を受けることを考えると、日本だけでは不安。海外にも目を向けないと」ともらす60代の声も聞く。選択肢の一つに「タイで介護」があることで、りらいぶの可能性が広がるのではないだろうか。

 タイ国保健省の関係者は「タイはいつでも日本人の介護を受け入れる用意がある。実際の現場を見て、不足していることがあれば意見を述べてほしい」と環境づくりに積極的な姿勢を見せている。
(2010.10.23)