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りらいぶジャーナル

仙之倉山荘あれこれ―創建75周年記念資料集―

群馬大学工学部山岳部OB会著・仙ノ倉山荘資料編集委員会編集

 新潟県南魚沼郡の山中、谷川連峰の狭間に真っ赤な山荘が存在する。群馬大学山岳部の「仙之倉山荘」であるが、1934年創建で76年の歴史があるというから驚きだ。

 もっとも77年の豪雪により創建当初の旧山荘は倒壊してしまったが、その後約1200万円の寄付金が集められ、新しい山荘が作られた。現在もなお山岳部の学生ないしは山岳部OBが都度、山荘に集まり山岳生活を満喫しているようだ。

 本書はその76年の歴史のなかで残された膨大な記録を収集した山荘の「歴史書」である。戦前、戦中、戦後の山荘の姿と当時の学生の活動ぶりも詳細に描かれており、部員たちにいかに愛され続けてきた山荘であるかが実感できる。また、OBたちによる山岳生活での苦労話などは山に生き山に挑戦する「山岳人」のドキュメントでもある。山好きの人にとってはその点でも魅力的だろう。

 なお、この山荘は申し込みをすれば一般の人も利用可能であるという。谷川連峰への登山を志す人はぜひ連絡してみてはいかがだろうか。