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りらいぶジャーナル

廃棄トンカツ肉の教訓~その2~ 生協のデタラメ調査に怒る

-井口恒夫-

 コープかながわの一店舗が期限切れのカツ肉を使って売ったカツ重・丼について、生活協同組合は新聞報道の翌日に謝罪広告を出した。この広告そのものにはおかしな記述が実に多いが、さらに呆れたことに問題があったのはなんと広告で知らせた1店舗だけではなかったということだ。

 問題の第1は謝罪広告で「すぐに、現品を回収し……検査を開始するとともに、店舗総采部門の調査を行いました」由だが、違反販売を1カ月間も続けていたでたらめ生協が仮に「すぐ」としても、その「調査」はずさんなものだったに違いない。事実、広告で「店内調理を行っている他の64店舗の立入り調査を4月25日に行いましたが、右記『廃棄分生肉の利用』のような事例はありませんでした」との記載が虚偽だったことを広告掲載当日の謝罪会見で表明した。だいたい「64店舗を1日で調査した」なんてやらなかったも同じずさん調査だったに違いがない。

 また「該当2品の商品には一括表示(食品添加物、アレルゲン表示)がされておらず、食品衛生法違反となります」もデタラメ記述だ。そもそも「一括表示」用語でなく「義務表示」とすべきで、また「アレルゲン」用語もおかしく、「アレルギー物質(特定原材料)」だ。「義務表示とは食品添加物と特定原材料だけじゃないんだよっ! つまり弁当との「名称」「原材料名」としての食品類、「内容量」「消費期限」「保存方法」「製造者」もいるんだよ。さらに食品衛生法違反と書いているが、この法律だけでなくJAS法にも違反しているんだっ!

 ほかにもあるけれど、我々消費者にとっては生協の正体がよーくわかった事件と謝罪広告だったねえ。
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【井口恒夫】退職後に調理師学校に入学して調理師免許を取得した経験を自費出版、1000部をほぼ完売。食品衛生の仕事に携わりながら地元町内会副会長としても活躍中