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りらいぶジャーナル

廃棄分トンカツ肉の教訓~その1~ バカな消費者

-井口恒夫-

 コープかながわの一店舗、ハーモス荏田店が期限切れしたトンカツ用のパン粉でまぶした生肉250枚を3月末から約1カ月の間にカツ重・丼にして売ったという。コープ、すなわち生協(生活協同組合)は新聞報道の翌日に謝罪広告「お詫びとお知らせ」を出した。この事件は生協そのもの体質を見事に露呈したうえ、種々考慮すべき事項が非常に多い。

 第一はカツ重・丼を購入した100~200人の消費者意識の問題で、弁当類にも当然義務される表示がないのに買ったというのだから恐れ入る。消費者意識の完全な欠如以外の何ものでもないではありませんか。
 次に、食べたら酸っぱかったという苦情が発端で発覚した事件だが、苦情者以外の100~200人もの消費者方は別段異味も感じず、美味しい美味しい、と食べたんでしょう。過去にも同じようなことを生協が続けていなかったとは言い切れない。

 生協には消費期限は当日限りという内規があるそうだが、省資源上もったいないし、健康障害も起こっていない話でもある。内規を当日限りとせず20日間くらいにして守れば、生協群も消費者方のどちらも「ハッピー、ハッピー、ニッコニコ」だったんだ。

 最後に、企業は悪だが生協は善だという、おかしな消費者意識である。かつてスターバックス社は消費期限切れザッハルトルテ2個(840円)を売ってしまったとの謝罪広告を新聞に出した。そこまでしなくとも思われるほどの企業の消費者意識がうかがえる事例である。

 企業は悪だから危険で、生協は善だといった、多くの日本人の間違った非科学的で古い消費者意識は取り去らなければならない時代だろう。
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【井口恒夫】退職後に調理師学校に入学して調理師免許を取得した経験を自費出版、1000部をほぼ完売。食品衛生の仕事に携わりながら地元町内会副会長としても活躍中