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りらいぶジャーナル

演劇は総合芸術、実感した舞台

アラカンの俳優修行 ~6~
信田参平

 「観る側から演じる側へ」のキャッチフレーズを早速実感できる機会が訪れました。
 というのも、第2回目のレッスンは第七期生の卒業公演を浅草公会堂で観劇するということだったからです。私は十期ですので、1年半前に始めた方々の卒業公演です。

 観て驚きです! これまでも、歌舞伎から有名無名の舞台、映画・テレビなど演劇を観る機会は多かったのですが、これほど緊張感があり、真剣さの溢れる舞台を観るのは久し振りかもしれません。演じる人の汗や息遣いまで伝わってきます。人気俳優の舞台などにはある種の余裕といったものを感じたし、あの俳優は大根だなあ、などと勝手に評論家気取りで観ていたのですが、この卒業公演ばかりは素人レベルなどと言っていられません。

 とりわけ、舞台は主役も脇役もないチームワークなのだ、ということが切々と伝わってきます。俳優間のコミュニケーションの悪い演目ではやはり伝わり方がピンと来ません。演劇とは主役だけではなく脇役もスタッフも、もちろん脚本や演出もすべてが複合された総合芸術であるということが実感されたのです。

 1年半後、あの舞台に自分が立つかと思うと、嘘偽りなく身の引き締まる思いでした。
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【しのださんぺい】 1947年生まれ。帝人にて宣伝・マーケティングを長く担当。40歳で転職。50代半ば日本語教師養成講座修了。日本語教材の凡人社に2009年12月末まで勤務。この間60歳で明治座アカデミーの俳優養成コース受講、09年11月修了。現在、明治座アートクリエイト登録俳優。本名、鈴木信之。ザ 日本語教師――十人十色「書店を拠点に日本語教育ネットワークを」