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りらいぶジャーナル

セブ島ロングステイ詐欺疑惑 被告に損害賠償判決

コロナの会、比大使館に「誠実な対応」要求

 フィリピン・セブ島のロングステイ詐欺疑惑商法の被害者が損害賠償を求めた民事訴訟で、東京地裁は11月6日、原告側の主張を認め、被告事業者のアイ・エス・ディ社と実質的経営者に対して、約2300万円の費用を支払うよう命じた。被害者団体「コロナの会」では判決を機に、さらに責任追及の手を強める考えだ。

 問題となっていたのは1999年からフィリピン・セブ島のコロナ・デルマール地区のリゾート開発物件の借地権購入と介護サービスを合わせて、高齢者の理想郷建設を宣伝したロングステイビジネス。だが、アイ・エス・ディ社を通じて老後の蓄えを投じて購入したはずの土地は実際には購入されておらず、巨額の資金が使途不明となって消えていた。

 実質的経営者の日本人は現在消息不明となっているが、被害者の会「コロナの会」では「この裁判は金銭的被害回復よりも、私たちのような被害者を出さないための警鐘を鳴らす目的があった」として、相手側の責任とその悪質性を認めた判決を得たことを期に、さらに厳しく追及していくという。

 同会ではこれまで、フィリピン大使館や現地の開発事業者「フィリンベスト社」に対して質問状を送るなど、度々協力を求めてきたが、「具体的な回答は何もない」(同会会長)。特に比大使館においては、大使館内に問題事業者への協力者がおり、現実にそれによる被害が発生しているにもかかわらず、「相談しようにも、窓口さえ設けてくれない状況」(同)だという。

 同会ではNPO法人リタイアメント情報センターと「初心者のための海外長期滞在ガイドライン」の作成に取り組むなど社会的な活動も積極的に行っており、そういう立場からも比大使館やフィリンベスト社の誠実な対応を求めている。
(2008.11.10)