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りらいぶジャーナル

日比の相互補完事業を推進

シニアの力、学生に投資を
JPVA

 NPO法人日本フィリピンボランティア協会(JPVA、東京都調布市)は日比友好と両国の課題を相互補完する事業を促進させる。特にミンダナオ国際大学(MKD)のカリキュラムに日本人退職者の力を活用する一方、介護を必要としている高齢者には学生や卒業生らが対応するという関係性を築くことがねらい。

(日系人会と小中学校、長期滞在施設が隣接するMKD)
 MKDは2009年度、起業家育成学科を新設した。学生自身の手で新規ビジネスを起こすことを学ばせる。網代正孝JPVA会長は「学生に対して経済的支援やノウハウ伝授など人材育成への投資を退職者に期待したい。学生はその投資に応え、事業を軌道に乗せる義務を負う」と話しており、退職者にビジネスパートナーとしての役割を担うことを希望している。第一次の事業として2010年3月、大学構内に店舗をオープン、JPVAが農民自立支援活動で栽培した有機野菜や弁当などを販売する計画だ。そのほか太陽光パネル発電など環境ビジネスを視野に入れた実験も行っているという。

 日本人からの奨学金を受給している奨学生に対しては、里親の介護を引き受けるなどの条件を付け、奨学金受給者と発給者の関係をより鮮明にする。

 また同地で10年9月に予定されているフィリピン日系人会30周年記念式典にはチャーター便を航行する計画だ。その際に日本人退職者および軽度の介護が必要な高齢者を輸送、MKDを始め日系人会などで交流を図ると同時に、網代会長は「介護者の“息抜き”になれば」と語っている。

 現在、JPEPA(日比経済連携協定)によるフィリピン人看護師・介護士の受け入れが始まっているが、「フィリピン人に来てもらうだけでなく、こちらが現地に出かけて彼らに介護の仕事を提供することができる。移動の際の付き添いなどの対応も可能だ」とし、MKD卒業生などによる青年協力隊活動の再開と定期的なチャーター機就航の可能性も検討し始めている。
(2009.12.04)