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りらいぶジャーナル

<38>国慶節と中秋節、そして潮水

 会社から月餅が配られました。中国では一般的な風習らしいですが、私は初めてだったので、ちょっとうれしかったです。

 今年の国慶節は建国60周年。せっかくの1週間前後の休暇なので、どこか近くへ小旅行でも、と思っていたのですが、この休みで5億人が移動するといううわさを聞き、怖くなってやめました。普通の状態で穏やかな状況なら私でも何とかなりますが、人数が多くなったときの中国人パワーは半端じゃありません。

 休暇中はいただいた月餅を食べながら、北京での閲兵をインターネットで見たり、まだ行っていない杭州の観光地へ行ったりと通常の休みを過ごした1週間でした。

 ところで杭州では、陰暦の8月18日に「潮水」と呼ばれる、海から河に水が逆流する現象を見ることができます。陰暦では必ず毎年この日だそうで、そう考えると、陰暦ってすごいなあと感心せずにはいられません。

 国慶節の連休中に陰暦8月15日の中秋節、その3日後の潮水と、イベントが盛りだくさんでした。満月はどこにいても見られますが、せっかく杭州にいるので潮水を見に近くの河まで行ってみました。

 が、とにかく人が多い! 道路は交通規制がかかり、交差点には見張りと誘導の警察官が立っています。それでも車で動いて、隙あらば規制を突破しようとする人たちがいます。そのため、通常のバスも進むことができなくなって大変な状況でした。

 河に到着してからも、少しでも高い所から見ようと、中央分離帯の木の上にも人がいっぱいです。警官に注意されると降りますが、いなくなるとまた登る、という喜劇があちらこちらで繰り広げられていました。

 で、潮水はというと、実はあまりよくわかりませんでした。潮水が大きいときには大きな音とともに数メートルの水が逆流してくるといいます。私は津波と同じかなと想像しました。人垣で見えないせいもありましたが、特に音もなく、他の人を観察していても興奮した様子はまったく見られませんでした。今年は潮水が小さかったのかもしれません。

 帰宅してからネットで調べたら、杭州の潮水を見に60万人が来たそうです。ちゃんと潮水を見ることができなかったのは残念ですが、たくさんのマンウォッチングができたのでとても面白かったです。いつ来るかが決まっているし、時間も前もってわかることなので、いつか機会があったら、また来てみてもいいなと思います。

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さんべ・きょうこ●短大卒業後、ホテルなどでのブライダル関係のプロデュ-ス会社を経て、ソフト開発会社での開発デザインおよび新人マナー研修業務などを歴任後退職。在職中に中国に魅せられ、北京や山東省を中心に度々訪問。開封市(河南省)での短期留学や大連への2カ月の出張経験などを持つ。