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りらいぶジャーナル

へぼの負け惜しみ

藤田忠弘著(ホンゴー出版)私家版

 「いただきます」「名前雑感」「どうも」「小京都」「コマーシャル」「駅ナカ」「メタボ狩り」などを一つの言葉をテーマに展開している、エッセイというより評論コラムに近い。

 「内容は種々雑多で、とりとめのない」「雑文集」だと著者はいうが、その一つひとつに主張が表れていて力強い。一テーマを深く掘り下げるだけでなく関連した話への展開も違和感なく受け入れられる。
 著者は昨年古希を迎えた。表題の「負け惜しみ」は「いまに見ていろ」という意味を込めているという。現代日本社会を批判しながら、一方でよくしなければという意思が伝わってくる。