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りらいぶジャーナル

ケアフィットマイスターとして活躍

盛岡で「おもてなしの心」普及
佐藤裕弥さん

 子どもから高齢者、また障がい者も含めすべての人に公平なサービスを提供しようというユニバーサルサービスの考え方を普及し、それを具体的な活動を通して実践している岩手県盛岡市の佐藤裕弥さん(63)。観光ボランティアやサービス介助士の普及、小学校での総合学習などで活躍している。「地元の魅力を知ってもらおうと障がい者を集めて散策会を開いています。そのときサービス業やデパート社員などにボランティアとして参加してもらい、介助について学んでもらっています」


 このような佐藤さんの活動の基本となっているのがサービス介助士だ。
 佐藤さんは定年まで地元百貨店に勤務、特に定年前の6年間はCS推進室に所属していたこともあり、高齢者や障がい者などの来店客と接することも多かったという。「会社は高齢者や障がい者の対応は素人が手を出すべきではないという方針でした。けれども高齢者の多い街なので、当然デパート社員としてサービスすることが仕事だと私は思い、そうした方々への対応は自分なりに考え、動いていました」

 そんな折、新聞でサービス介助士のことを知った。「素人ながらやってきたことが専門的な資格になった」と、さっそく東京で講座を受講、サービス介助士2級を取得した。この佐藤さんの行動が今までの高齢者や障がい者への接客に対する会社の姿勢を変えるきっかけともなった。


 受講前に実際の現場で介助をしていたこともあり、技術は難しくなかったが、介助される側の立場という気付きがあったと佐藤さんはいう。
「介助される方の心理状態、抵抗感、障がい者に対する私たちの見方など、自分なりの考え方しかなかったということがわかりました。一人の人間としての生き方を勉強しましたし、生活者として大事なことを教わりましたね」

 サービス介助士の仕事や考え方は退職後も通用することだと実感した佐藤さんはケアフィットマイスターに応募、認定された。ケアフィットマイスター認定はサービス介助士資格取得者で、実績や技能などを査定し、星の数で評価するものだ。


 現在、佐藤さんは「ユニバーサルサービス倶楽部」として活動を開始した。観光ボランティアなどのイベントを主催して人を集め、サービス介助士の考え方を伝えるのだ。また団塊の世代など退職者向けにボランティア活動を始めるためのセミナーも行っている。

 「サービス介助士はいろいろな活動のベースになっていることを理解してほしい」と、月1回「サービス力」をアップさせるための勉強会を始めた。佐藤さんは今後、メンバー一人ひとりが活動しやすいよう輪を広げ、組織化していきたいと語っている。
(2009.08.20)


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