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りらいぶジャーナル

「心の教育の実践」と「氣」

栗田和悦著(湘南社)1575円

 著者は38年間の教師生活を通じて、「氣」を日本の教育に生かしたいという思いで今まで実践してきた「心の教育」について述べている。

 「心の教育」とは故小原国芳のいう「全人教育」の実践、つまり真・善・美・聖・健・富の調和の取れた人間教育をめざすものだ。人間文化には学問・道徳・芸術・宗教・身体・生活の6部門があり、宇宙の氣の中で調和の取れた人格の陶治を目指すものだという。

 学力を身に付けるだけの教育では全人は育たない、「宗教教育」「心の教育」「感謝の心を育てる教育」が必要だと訴える。筆者は特に日本の教育に必要なのは目に見えないものにより自分は生かされているのだということを子どものころに気付かせること、そして「氣」が子ども自身の心の中にあることを理解させることだと主張する。

 「氣」の活用としてウェブを利用したチャットによる24時間生徒生活相談の実践、ソフトボール部の成長物語、弓道の昇段、ぎっくり腰の治療など豊富な事例も示している。