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りらいぶジャーナル

伊勢崎の川柳遺産ここにあり

秋山春海編著(紙鳶社)1575円

 平成19年に発祥250年を迎えた川柳の起原は意外に古い。なかでも伊勢崎は昔から川柳の盛んな地として名高いという。

 一般にはあまり知られていないが、終戦直後の昭和24―26年ごろに刊行された「川柳みやま吟社」なる句会報が現存しているほどだ。“みやま”とは赤城、榛名、妙義の三山をもじったもので、みやま吟社の発足は実に明治年間だという。

 本著はこの句会報を中心に群馬県下の川柳大会誌復刻の経緯をまとめた非常に貴重な書である。川柳の歴史のみならず、歌人たちの句の中に時代背景や庶民の暮らしぶりがうかがえる。

 ちなみに著者は伊勢崎市で老舗の茶店舗「茂木園」三代目で、先のみやま吟社会員。現在、地元の外国人に日本語を教える日本語教師としても活躍中で、教室では川柳も教材になるという。


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