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りらいぶジャーナル

日本語ベースにニュービジネスを

■日本語教師 シニアへの期待■
ヒューマンアカデミー
日本語教師養成講座コーディネーター
土江智哉さん

 日本語教師の新しいスタイルを作るのはシニアではないか――。ヒューマンアカデミー(東京都新宿区)日本語教師養成講座コーディネーターの土江智哉氏はシニア日本語教師に対して高い期待を寄せている。

 同社の日本語教師養成講座では「420時間」枠の科目以外に、講師の大学院での専門分野を中心に講義するプレレッスンカリキュラムを設けている。たとえば外国人に理解しにくい擬音語や擬態語を詳しく教えたり、在日外国人の子どもたちへの教育の実態を伝えたり、海外で教える方法や生活上の問題を解説したりするなど、受講生にとってより深く教育現場を知る機会を提供している。日本語教師としてどんな活躍の仕方があるかが理解できるのも特徴だ。

 この講座でもシニアの学習意欲の高さが目立つという。養成講座の科目を勉強するなかで、今の日本語教育が抱える問題点に気付くことがその要因のようだ。
「地域の外国人に日本語だけでなく生活や文化を教えたい、特に子どもたちへのフォローが必要だと感じているようです」


 地域の在日外国人が増えるとともに、日常生活のなかで外国人と接する機会が増えている。すると異文化間のギャップが生じ、問題となることがある。「ここに日本語教師の出番がある」と土江氏は指摘する。「特に社会経験や人脈が豊富なシニアであれば、若い人には気付くことのできない、こうした問題に取り組むための新しい発想があるのではないでしょうか。これをビジネスチャンスととらえ、新しいビジネス、新しい日本語教師像を作っていくことができたら、これほどやりがいのある仕事はないと思います」

 土江氏自身も日本語教師として教壇に立った経験を持つ。同社に転職した時期、養成講座にシニアの姿が目立ち始めたころだという。彼らの積極的な態度を目の当たりにするに連れ、期待が膨らんだようだ。「私自身、日本語教育業界の発展に携わっていきたい。シニアからの斬新なアイデアやビジネスの相談にも応じたいと思っています」
(2009.7.29)