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りらいぶジャーナル

“自分の限界を超える旅”企画

“スモーキーマウンテン”描く映画公開
監督が同行、現地で交流するツアー開催
監督、シニアの参加歓迎

 フィリピン・マニラのゴミ捨て場の街“スモーキーマウンテン”に生きる人々を追ったドキュメンタリー映画『BASURA(バスーラ)』が6月27日から東京都写真美術館で公開される。公開に合わせ、この作品で描かれている現場を監督と共に訪れるツアー「映画『BASURA』の世界で自分の限界を超える旅」が企画された。ツアーでは「自分の限界とは何か」を考え、「壁を越える」体験をする。


 『BASURA』は監督の四ノ宮さんが“東洋最大のスラム”と呼ばれたスモーキーマウンテンをフィルムに収めた『忘れられた子供たち スカベンジャー』『神の子たち』に続く3作目。四ノ宮さんは30代のころ、人生をかけて取り組む“何か”を探しに初めて訪れたスモーキーマウンテンで子どもたちの姿に衝撃を受け、6年の歳月をかけて1作目を撮った。

 その後、スモーキーマウンテンは世界中から貧困の象徴として注目を集めたため、1995年11月、当時のラモス大統領が住民に対して強制退去を命じて封鎖。しかし、フィリピンのゴミ処理の問題とマニラの著しい失業率の高さに同様のゴミ捨て場が今でも多数存在する。


 本作品は“忘れられた子供たち”の20年後の姿を描くと同時に、かつてのスモーキーマウンテンにほど近いアロマゴミ捨て場に足を踏み入れ、当時と変わらない貧困の問題をさらけ出した。しかし、そこに生きる人々の輝きをも表現し、見る人に「人間としての生き方」を問う。

 今回、映画から生まれた旅は、この現実を参加者自身の目で見て“限界”を感じつつ、その“限界”を超えて“新しい何か”をつかもうという、まさに“りらいぶ”が目的だ。四ノ宮さんはこれからの社会を担う若い人も対象にしているが、「シニアにも社会を変える運動のひとつとして、ぜひ参加してほしい」と訴えている。


 ツアーには四ノ宮さんが同行する。成田を出発する前日に1日研修を行い、マニラ入り後はスモーキーマウンテンを視察、住民の家庭訪問、子どもたちへの給食プログラム活動、ゴミ拾い体験のほか、本作品出演者との交流も行う予定だ。
 日程は7月27日~8月2日の7日間で、募集人数は26名、四ノ宮さんの作品を鑑賞していることが条件だ。映画は6月27日から東京都写真美術館にて公開、前作品も上映される(『BASURA』公式サイト)。ツアーについての詳細も公式サイト内「スタディツアー」で確認のこと。
(2009.06.25)