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りらいぶジャーナル

<10>理想としている授業の形

 人数が多いと、どうしても通常授業の体制(私が前で、学生全員がこちらを見ている状態)を取るしかなくて、私のイメージしている「コミュニケーション」というのが非常に取り辛いです。小学校のように一人一つの机なら移動が簡単なのですが、長いテーブルなのでどうにかする訳にもいかず――。何となくこの形だと、みんな自分が当てられたときにしか集中していないように見えます。

 私がやりたいのは他人の間違いを自分も一緒に考えること、他人の話を聞いてそれに対して日本語で発言をすること、というイメージなのですが、全然ダメです。

 人数が少ないときに「みんな集まって」と、教壇をどけて白板を私の真後ろに移動し私もみんなと同じように着席。人数が少ないと思ったのに遅れていただけで、結局全員来てしまったのですが、何となく全員で内側を見るような形を作ってもらったら、やはり雰囲気が違うと感じました。

 他人の意見に対して中国語で何か言う人は普段の授業のときもいます。普段は「日本語でもう一度言って」と言っても答えてくれないことが多いのですが、この場合、「お話」している形なので、周りと相談しながらでも一生懸命日本語で話そうとしてくれます。こうなったら、毎回長テーブルを動かそうかなあ、と思うのですが、彼ら専用の教室なので、すべてのテーブルの上に参考書や飲み物、なんやかんやが山積みで諦めてしまいました。
 でも、この「授業の形」は絶対に何とかするつもりです。

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さんべ・きょうこ●短大卒業後、ホテルなどでのブライダル関係のプロデュ-ス会社を経て、ソフト開発会社での開発デザインおよび新人マナー研修業務などを歴任後退職。在職中に中国に魅せられ、北京や山東省を中心に度々訪問。開封市(河南省)での短期留学や大連への2カ月の出張経験などを持つ。