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りらいぶジャーナル

<8>お互いに慣れてきた授業

 授業を開始して1か月後から、1時間だった授業が1時間半に延びることになりました。たったの30分なのですが、授業内容を考えるうえでは、30分は思ったより長いです。

 相変わらずその日の昼間に今日の授業内容を決めているのですが、考えてきた内容を全部やってしまっても時間が余ってしまって、「何しようか?」と生徒に聞いたら、「日本の童話を教えてください」と言われ、「竹取物語―かぐや姫」のあらすじを話してみたり――。

 でも30分延びて良かったことは、時間に余裕ができたため、私が中国へ来て驚いたことや日本と中国の習慣の違いについて、毎回少しずつ話せるようになったことです。

 教えている2クラスはレベルがまったく違うのですが、特に初心者クラスには「母音の発声」の重要性を強調しています。なぜ「初心者クラスに」かというと、半年近く日本語を勉強して少し話せるようになってしまうと、「今さら発声練習なんて」という雰囲気があり、真面目に取り組んでくれないからです。同じ話すなら日本人から「発音がきれいですね」と言われて自信を持ってほしい、日本語を好きになってほしい。そしてそのためには最初が肝心。私はそう思っています。

 生徒も私もお互いの存在に慣れてきたので、なるべく「雑談」という形で通常の日本人とのコミュニケーションを再現したいと考えています。

さんべ・きょうこ●短大卒業後、ホテルなどでのブライダル関係のプロデュ-ス会社を経て、ソフト開発会社での開発デザインおよび新人マナー研修業務などを歴任後退職。在職中に中国に魅せられ、北京や山東省を中心に度々訪問。開封市(河南省)での短期留学や大連への2カ月の出張経験などを持つ。