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りらいぶジャーナル

自己実現から"他利実現"へ―高い志を持って前進しよう

ヴィップシステム株式会社会長
リタイアメント情報センター副理事長 竹川忠徳さん

 IT業界一筋で働いてきましたが、ここ20年はセキュリティ分野に取り組んできました。今日、ITとセキュリティの対象範囲はよりグローバルに、またグローカルに考えなくてはいけない時代となっています。


 社会生活に視点を移すと、高齢者は社会の弱者になりがちな状況にあります。そこにセキュリティを確保したい、初めてRJを目にした私はそのような思いをいたしました。
 セキュリティを守るということは、まずさまざまな問題に対する解決パターンをつなぎ合わせて一つのベストプラクティス(最も効果的かつ効率的な対策実践方法全集)を作成し、目的別に指針としてまとめたものがガイドラインです。それが守られているかどうかという監査を通して初めて“お墨付き”となるわけです。また、ベストプラクティスやガイドラインは年年歳歳、時代背景を考慮して適正なものとして保持していく必要があります。すなわち、この世界には終わりはありません。R&I活動を通じ、当該この仕組みの促進に目を光らせるのが私のミッションでしょう。

 R&I設立後10カ月で、自費出版や海外長期滞在のガイドラインの整備が進みつつあり、そうした活動をNHK『クローズアップ現代』はすぐに取り上げてくれました。また先日、40代過ぎで一部上場企業から脱サラした知人が神戸から私を訪ねてきました。彼もいよいよリタイア生活に入ったのですが、本紙RJに目を通すなり、「会費を支払うだけでこれだけの情報をもらえるというのはメチャクチャ安いですねえ」とのたまわり即入会。彼の一言からもわかるように、RJを中心にリタイアした方々への私どものインフラ機能にはかなりの自信が持てると思います。

 したがって、これらインフラ機能を活かすべく多くの先輩シニア団体の方々にご指導を賜りつつ交流を深め、かつ“りらいぶ”というキーワードで肩書きを捨てて人生の再スタートを切ろうとされている人々と共に然るべき活動プログラムを企画し、共に育てていきたいと願っています。

 アメリカの心理学者、アブラハム・マズローの欲求段階説では、人は「生理的欲求」に始まり、「安全」「親和」「自我」、最終的に「自己実現」と5段階の欲求があるといいます。特に自己実現は自分の能力や可能性を発揮し、創作的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求です。しかし、これら全段階を卒業しリタイアメントを標榜する私どもとしては、さらに自己を超越した“他利実現”をめざしていきたいと思います。早くそんな同志がたくさん集まってほしいですね。

●たけかわただのり
日本オリベッティ、CSK、ネットワン・システムズなどでの要職のほか情報システムコントロール協会常務理事、HR-XML Consortium(コンピュータ技術標準化団体。本部米国ラーレイ)理事など歴任。現在、NPO法人日本人材データ標準化協会専務理事も務める。
(2008.06.01)