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りらいぶジャーナル

オタネニンジン 果実で健康食品

生きがいとロングステイ事業も構想
アイ・ティ・ビ・エス

 朝鮮人参や高麗人参の名で知られるオタネニンジン。通常はこのニンジンの根が薬や健康食品として使われているが、株式会社アイ・ティ・ビ・エス(東京都荒川区)ではその果実を使っているのが特徴だ。

「根に比べて果実のほうがサポニン配糖体などの成分が多く含まれていることがわかりました。中国では抗がん剤として高価な薬とされています」と瀬井冨雄社長は説明する。

 瀬井氏がオタネニンジンの果実を知ったのは大手商社で医薬品を取り扱っていたときのこと、中国出張中に情報を得た。
「ある方からオタネニンジンの果実がよい、日本でも取り扱わないかと製品を紹介されました。しかし、当時の会社では得体の知れないものは扱えないとのことだったので、結局会社を辞めて独立して始めたのです」

 だが、大学の研究者にもオタネニンジンの果実のことは知られておらず、当初はなかなか信用されなかったが、実際に分析をした結果、実には根の5倍のサポニン配糖体が含まれていることが明らかになった。
 それを使い、果粒「參壽惠 オタネニンジン果実粒」やドリンク「參壽惠 サンブロシア オタネニンジン果実エキス」、そしてアイスクリーム「サンブロシア オタネニンジン果実アイス」の開発を行った。「アイスクリームは機能性食品として日本だけでなくアメリカやロシア、インドネシアなどでも販売しています。乳製品も砂糖も使っていないので、糖尿病患者の方でも安心です」

 瀬井氏は子どものころから体が弱く、農業研修でアメリカを訪れた際には帰国間際に風土病にかかり、生死をさまよった経験もある。それ以来、健康第一に考えるようになったという。

 さらに高齢になってからも健康で生きられるよう、インドネシア・バリにロングステイ施設の構想も立てている。
「気候のよいバリに、会員権方式で2か月程度滞在できる施設です。そして現地の青年に技術や日本語を教えるなどして交流します」
 また、引退した医師によるボランティア組織を結成した。現地での医療技術指導や日本人の医療相談に乗るなどの活動も計画している。
 健康と生きがい、社会貢献を結びつけた事業を推進していくようだ。
(2009.4.24)